松菱② デパートの時代?

<第46回>  ☆★☆ 第46回松菱② デパートの時代? ☆★☆

★再開発のトレンド
仕事がら東京にいることが多く、また根っからの「新しもの好き」なため、ほとんどの人気スポットには足を運んでいます。

松菱② デパートの時代?
<日本橋のマンダリンオリエンタルホテル>

写真は日本橋三越デパート本店の隣にある新三井タワービルです。オフィスとホテルの融合型のビルで確か2005年にできたはずです。たまたま
隣は三越ですが、総合的なビルに仕上がって、人気があります。

東京の再開発の主なスポットをほぼできた順番にあげると
・恵比寿ガーデンプレイス
・晴海トリトン
・赤坂アークヒルズ
・六本木ヒルズ
・汐留シオサイト
・大崎
・品川
・丸ビル、新丸ビル
・八重洲
・豊洲
・六本木の東京ミッドタウン
などがあります。

★デパートではなく総合文化施設型
それらの第一の特徴はオフィス、マンション、ホテル、専門店、レストラン、ジム、ホール、その他文化施設の融合型です。デパートで集客という発想は全くありません。豊洲はららぽーとがありますが、デパートではありません。

最初にあげた恵比寿ガーデンプレイスにだけは非常に小さな三越があるもののウェスティンホテルもオフィスもマンションもありまさに融合型再開発の典型でした。その他の再開発にはデパート誘致は見られません。浜松と東京とは違うという意見もありそうですが、浜松は東京の何年かあとを追いかけていますよね。メイワンもある意味では渋谷の109の類ですから。

★全体開発のできる会社が主導権
第二の特徴は森ビル、森トラスト、住友、三井、三菱などの大型開発の得意な会社が自前でマーケティングし採算を計算して作ったものです。

プロパティマネージメントもでき、全体デザインと専門店の誘致のできる規模の開発型不動産会社でなければ、上のマンダリンを含む12箇所の再開発は成功しなかったのではと感じています。

数年前の松菱破綻時、任せるべき相手を間違ったのではないでしょうか。

★デパート冬の時代
流通の中心が百貨店(デパート)からスーパー、さらにコンビニと大型ショッピングモールと専門店街へと移っているのは、全国的な状況です。デパートについては出店よりも弊店や、店舗統合が進んでいるのが現実です。たしかに、札幌には大丸が出店しましたが、拓銀の破綻以降、何も良いところのない北海道経済界の悲願での大丸誘致だったので、「おんぶに抱っこに肩車」状況が終わったあとに、どうなるかは誰にも判らないと思っています。

浜松でも丸井、西武が撤退し、松菱が破綻し、さらにイトーヨーカ堂の撤退をみるとき、周辺にある大型SC(ショッピングセンター)が浜松の限られた需要を満たし、前記の3つは供給過多になって撤退したのだと考えざるを得ません。地場だった松菱は撤退できず、折角の新館がかえって仇となった破綻と思われます。

松菱② デパートの時代?
<浜松の旧イトーヨーカ堂前>

★まとめてみると
①デパートが来ることが救世主か
②デパートそのものが生残れるか
③グランドデザインとその企画と運営に責任をもつ中心企業の不在
④この地域の小売商売の需要と供給のバランス

もし大丸または今の松菱跡地を保有する企業が、自らの資金で、自らの判断で、浜松は良いマーケットだと思って開店を決めていたら、上の①から④は全く関係のない話になります。ところが実際は「違うでしょう」です。

デパートというスキームの問題はこんなところです。議論がもりあがったら、夫々についてもう少し詳しくお話ししたいと思っています。

是非市役所の商工部の方々からのご意見をいただきたいと思っています。次のブログで最後の問題「③長期的全体的評価」を話たいと思います。

地元不動産屋さんによる、デパート誘致というスキーム(基本計画)の是と非、皆さんはどう思われますか。是非コメントと読者登録をお願いします。中心市街地活性化にかかわる方だけでなく、消費者の目線でのご意見も歓迎です。

ではでは。


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