夕張への道

<第14回>  ☆★☆ 夕張への道 ☆★☆

ごめんなさい。また予定タイトルを変更します。『収支の再確認』の予定でしたが、今朝ある会合で大岡敏孝さんから、良いお話を聞きましたので今回はその内容をご紹介したいと思います。

夕張への道

卓話のタイトルは「これからの地方自治に何が必要なのか?」でした。まず夕張の破綻の原因を4つ指摘されました。要約すると以下の4つです。

①産業(炭鉱)の衰退と人口減少②アイデアマン市長が裏目に③多選によるワンマン化と情報の隠蔽④議会と市民のチェック機能が足りなかった

夕張への道

上の写真が①の炭鉱数と人口の減少を示しています。6期目になるアイデア市長は就任時から炭鉱中心の産業からの変革を訴えて、映画祭などの観光事業に取り組まれたそうです。

だが、ちょっとちょっと待てよ・・です。

6期24年前(1980年)といえば、すでに炭鉱数は3つです。1960年の17からの減少数を見れば、手を打つのが遅すぎますよね。

今の浜松の輸送機器産業が、1960年の夕張の石炭産業と同じとは思いません。ただし、③でワンマン化した市長の前で、何も文句を言えず、現状を肯定している議会・・という絵は★浜松に似ていませんか。

浜松市議会はこの8年間で1回しか議案を否決していませんし、浜松の市議会議員が自分自身で考えて提案した条例はゼロの様です。④そのものですよね。その上今回は現職市長に推薦状です。取締役が執行役に無条件でお墨付きを差し出しているように感じるのは私だけでしょうか。

自治会中心で、経済に弱そうな市長と、物言わぬ無難な市議を選んできた★ツケは、何時ごろどんな風に浜松に現れるのでしょうか。


この記事へのコメント
   マニフェスト素案について(その2、行政サポーター)

 康友マニフェストを見ますと、「地域人づくり大学」というのがあります。なぜ、どういう「大学」なのかは今は問わないとします。その目的は「行政が行ってきたサービスを
NPOや市民が担う」となっています。

 なぜこれを提唱したのでしょうか。それはやはり通常の職員を使うと給与が高すぎるからだと思います。「公務員の給与は2割下げて初めて民間並になる」という発言が多くの識者からなされています。ですから、職員の給与を民間並にすれば、現在の給与総額でも今の 1.25 倍の職員を雇える計算になります。

 浜松市役所の職員数が5600人だとしますと、同じ予算で実に7000人も雇えることになります。しかし、給与引き下げは難しいでしょう。そこで、民間委託とか民営化でもない第3の方法として「NPOや市民」を考えたのでしょう。

 では康友さんはこれらのNPOや市民にはどの程度の報酬を払うつもりなのでしょうか。これが書いてありません。これではマニフェストとして不十分です。世の中はお金で動いているのです。

 埼玉県志木市は行政サポーターなどによる行政改革で知られています。今や多くの「行政サービス」を行政サポーターがこなしているそうです。これを導入した前の市長は「いずれ職員をなくすことも出来る」などと言っていました。それはともかく、その時給は 700円です(週2~3日勤務が多いようです。なお、この時給はサポーター自身が決めたものです)。

 これは何を意味しているでしょうか。「ボランティアをする気はあるけれど、持ち出しは困る」という人が多いということだと思います。

 私もこの「行政サポーター」は真似るべきだと思います。図書館の仕事とか、福祉関係とか、「行政サポーター」でカバーできる(カバーすべき)仕事はかなりあると思います(実際、浜松市の図書館は休館日が多すぎます)。

 同時に、時給 700円で週に2、3日ということは、「生活のための収入源は別にある」ということを意味していると思います。すると、NPOなどはこれとは違う範疇で考える必要も出てきます。少なくとも、「NPOや市民」と一括しない方が現実に合っているでしょう。

 外国のNPOは「仕事」として成り立っているものが多いと聞きます。つまり最近有名になってきた「社会的起業」の1種なのです。しかし、日本のNPOはそこまって行っておらず、収入面で「仕事」までは行っていないのが現実です。

 行政がワーキングプーアを生み出さないためにも、NPOに代行してもらうことは慎重であるべきだと思います。

 私は、教育改革は愛知県犬山市のそれが正道だと思う者ですが、その少人数授業は60人余りの非常勤講師に支えられています。しかるに、その日給は1万2000円(年収 216万円)です。

 犬山市の教育で賛成できない最大の点がこれです。これではワーキングプーアです。年間を通して拘束しておいてこの年俸は不当です。

 というわけで、NPOや非常勤職員は再考するとして、「行政サポーターの導入」が現実的で大いに有効だと思います。

 ついでに、シルバーボランティアについて調査してほしいと思います。道路の草刈りをしているお年寄りの「来年度から仕事が減る」といった話を又聞きしたからです。独自に調べようとしたのですが、できませんでした。康友さんはこれを調べて、「合併前の仕事量と謝礼は保障する」ということを言うべきだと思います。

 それは、少なくないお年寄りが月収10万円以下で生活しているらしいからです。極端な方では6万数千円の年金だけという人もかなりいるようです。この人達にとっては、月1万円の仕事でも貴重なのです。

 康友ホームページの「投票の結果」を見ますと、「くらし」に関心の高いことが分かります。生協も、1割引の日には沢山の客で混み合います。この現実をしっかりと受け止めるのが本当の市長だと思います。
Posted by 牧野 紀之 at 2007年03月06日 13:45
問題を感じてるのは秋山さんだけではないですよ。

「ぬるぬるでべたべた」(ぬるま湯で近すぎる関係)になっちゃうのでは?と思います。
新聞で北脇さんのマニフェストを読みましたが、ぼんやりしてるというか、キレが無いというか・・・、魅力を感じないです。

産業創造センター? バイクのふるさと館? 水陸両用バス? それって本当に必要?
ってな具合です。

前に一度書かせてもらいましたが、LRTは陳情に自民系市議が同席してましたので、選挙で推薦してもらった相手の陳情に「イェス」とは言いやすいが「ノー」とは言いにくいのではないかと推測します。(公正な判断をできるのでしょうか?)
土建といえば自民と想像力が働くのは私だけでしょうか?

仮に自民系で過半数を占めたらと思うと、かなり心配になります。(なんとなく静岡空港のときの知事と自民系県議を思い出します。)

あと本人がそう言ったのか確かではないですが「新浜松市の舵取りが出来るのは私しかいない」と新聞で読みましたが、

間違いなく、それを決めるのは 「市民」 だということを、忘れないでいただきたいと思いました。

失礼しました。
Posted by 白あん at 2007年03月07日 20:19
バイクのふるさと館、水陸両用バス、新美術館等は疑問を感じますね。
行革審で何を学んだのかといいたいです。
しかし、産業創造センターについては賛成です。
はこものにこだわって失敗した入居施設としてのSOHOはやめて、企業OBらによる財務や取引先の紹介等に特化すると今朝の新聞に載ってました。
役人とは違い、民間OBなら経験も人脈もあるので効果があるのではないかと思います。
とにかく役所は、管理業務に専念し、実際の活動は民間を徹底的に活用すべきだと思います。
Posted by 団塊Jr at 2007年03月07日 23:20
このままでいったら夕張になってしまう。
という危機感、不安。

それは何故?!

個々の具体例を上げたら数々あれど大きな原因の一つに。

市民の声を聞かないで市民の為の改革をしようとしない市長。
それらをチェック出来ないばかりか市民の声を聞き、市民の為の働きをしない市議。

なあなあの中で長年ぬるま湯に浸かってきた両者に

まさしく秋山さんのおっしゃる夕張の危機が見えてきます。

4月の統一選挙に向けて市民の声を全く無視してー

その市長にそれらの市議が推薦状をだしました。
信じられません!
この現実。をしっかり受け止めなければいけない。

4月は絶好のチャンス!

市長も市議も変えなければならない
浜松が変わる時がきました!

宮崎県に吹いた風を遠州にも〜〜
Posted by 花吹雪 at 2007年03月08日 10:34
     美術行政について

 浜松市は音楽に比べて美術行政が弱いという不満が関係者から寄せられているようです。それを意識してでしょう、北脇さんは新美術館を考えているようです。それは新巨大美術館になるでしょう。我々はそれに反対するべきでしょうが、代案を出さないとまずいと思います。

 先日の朝日紙によりますと、今や巨大美術館の時代で、その巨大さを争うような所があるそうです。これに加わりますと、終わりがないと思いますし、浜松市では勝ち味はないと思います。

 ではどうするか。

 まず、目的から考えましょう。美術行政の目的は市民の美術鑑賞や美術力の向上によって市民の文化生活、ひいては生活全般の質の向上に資することでしょう。

 するとこの目的を達成するのには必ずしも巨大美術館を作らなくても好いわけです。

 私案は、インフラとしての光ブロードバンド網の完備と優秀な美術教師や学芸員の確保です。

 前者について言いますと、NTT東西は2010年までに「光」を3000万世帯にする予定だと先日読みました。すると、浜松市としてはそれに予算を上乗せして、天竜区や北区の全域が「光」の恩恵に浴するようにすることです(ADSLすら来ていない所があるらしいが、それの是正は前提。当分はこれだけでも好い)。

 後者について言いますと、現在も美術教師はいるでしょうし、美術系の市民サークルもあるようですが、その教師や指導者のレベルはどうなのでしょうか。又、報酬は適切なのでしょうか(教師の給与は十分でしょうが、雑務が多すぎると思います)。

 この2つの条件を整えれば、学校での美術の授業の質を高めると同時に、市民の美術鑑賞や創作の指導も質量共に充実すると思います。

 独自の番組を作れば、ハイビジョン映像を使って、大画面で説明するようなこともできるでしょう。市民は好きな時に好きなものを「光」を通して見ることができます。

 もちろん実地指導もしてもらいます。

 市民の美術展覧会もネット上で行う案も考えられます。作品(動画でも好い)を載せて自分で説明文も付ける。学芸員たちがコメントをする。一般の人も感想を書き込む。こういった事の出来るのはネットならではだと思います。

 今の浜松市美術館は中途半端ですが、あの公園の中で大きく建て替えるのは反対です。そのままでこのような活動の1つの中心にするのが適当だと思います。

 最後に、これは私としては市全体の活性化策(芝居の街構想、誠実な食品の街運動)と結び付けて考えているのですが、それはいずれ又発言します。
Posted by 牧野 紀之 at 2007年03月09日 12:50
おっしゃるとおりだと思います。文化行政も大事ですが、美術館て他都市と先を争うようなものではないような気がします。
既存美術館もあるのですし、優先順位を考えたら急ぐようなことではないと思います。
市の債務が半減してから、あるいは政令市10周年記念事業等、長期的に計画すべきだと思います。
それまでに既存美術館を生かして、ソフトの部分を充実させたり、市民に美術や芸術が浸透するような施策をするべき。
それがなければ市民から乖離した文化行政、単なる箱もので終わってしまうと思いますね。
ただでさえ、合併後の市内融和政策が大変で、街中整備、阿蔵山事業、工場用地整備、第二東名関連の道路整備等問題山積なのによくばる余裕はないですよ。
もう、ついていけないです・・。
Posted by 団塊Jr at 2007年03月11日 01:03
牧野先生、白あんさん、団塊Jrさん、花吹雪さんコメント有難うございます。

行政サポータとシルバーボランティアのことはしっかり康友さんの政策に入れてもらいたいと思っています。静岡県の最低賃金は今682円のようです。

ボランティア的な仕事をする場合には主に家計を支えている人が他にいる・・という前提なのである程度定額で押さえ、全体の経費計画を支える必要があるとは思います。ただし、専門性のある仕事、何らかの資格が必要なことについては、しっかり手当てをするべきかと思っています。例えば臨時教員の場合、資格の要らない最低賃金でのボランティア手当てを700円とし、その最高4倍まで考えれば、月に180時間として、月給50万4000円となります。変に手当てとか賞与ではなく、難しい資格を持った方に年収600万程度で働いていただくのは、今の公務員平均給与よりは低いため、非常に合理性が高いと思います。

北脇さんのマニフェスト、美術行政、産業創造センターについては、また改めてブログのテーマにしますので、ご期待下さい。

読者を増やしたいので、皆さんの同僚、同窓、お友達の中で、「今の浜松市にどんな問題があるのか、あまり良く判らない・・」と思っている方々にこのブログのアドレスお伝えいただけますか。

ではでは。
Posted by 秋山雅弘 at 2007年03月11日 13:15
 訪問者数が伸びないので、更新を中2~3日にしていただけませんか。

 私はすでに康友さんには4つの意見を送っていますがここにはまだ2つしか発表できていません。

 教育をどうするかとか、大問題がいくつもあります。
Posted by 牧野 紀之 at 2007年03月11日 16:39
     壁画はどうでしょうか

 美術行政についてその後も考えていましたら、壁画に想到しました。

 市立美術館の壁面だけでなく、ほかの建物でも壁画を描けるところには壁画を描いてもらうのです。

 これは「浜松市出身者」で、「プロとして独立しようとしている人」または「独立後まだ少ししか仕事をしていない人」に頼むという条件をつけます。

 要するに、起業したい人にチャンスを与えるということです。

 建物にお金を使うのではなく、人にお金を使うということです。

 単なる思い付きですが、一応提案します。
Posted by 牧野 紀之 at 2007年03月12日 17:12
★政策提言の場は欲しいですよね

実はこのブログは、できるだけ現状の分析と問題点を明確にすることに徹したいと思っていました。

前向きな提案については別の方法を考えていました。

市民の目線での政策・アイデアはかなり多いと思います。そんな意見を集める場、としてある研究会を作りました。ブログではなくホームページを作るため、維持費を会員で薄く負担しあう会の予定です。

今日中にアップする予定の第15回ブログでお知らせしたいと思いますので、是非ご利用下さい。
Posted by 秋山雅弘 at 2007年03月13日 09:55
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