まちの引力

<第66回>  ☆★☆ まちの引力 ☆★☆

★引力と重力
第59回の「アクセスの秘策」でmiburoさんから以下のようなコメント をいただきました。以下少し略して引用させていただきます。

『私は、中心街の再生には、次の課題を克服する必要があると思っています。
1.時間消費型の文化的核機能の充実
2.楽しく歩ける歩行空間づくり
3.アクセス性の向上と公共交通の充実
4.都心ビジネスの拠点づくり(働く場と暮らしの場)
5.中心部商業者の意識改革と個店充実・・・』

1,2,5が中心街の引力だと思いました。惹き付ける力、魅力・・を引力と言ってもいいと思います。

一方では、引力を妨げるものがあると思います。それは距離で、住んでいる所、働いている所からの距離が大きければ、「行きたい」という気持ちを萎えさせ、「やっぱりメンドクさいからやめまいか」になってしまいます。それを重力と言ってもいいかと思います。(正確には重力も引力の一つですが・・)

4の提案は距離そのものを無くす案ですし、3は実際の距離ではなく時間距離を縮める方法だと思います。

引力(魅力)と重力(抵抗力)のバランスで、引力が勝てば「まちなか」に人が集まってくれます。集まれば、街そのものの魅力(出店意欲)が大きくなり、さらに大きな引力を作る要素が自然に生まれ、集まってくる・・という天使のサイクルになりますよね。大丸などへの特定企業への補助金なんかいらなくなります。

浜松は面積が6倍になりました。20万の人口が増えましたが、距離の遠いところに住んでいます。今こそ引力を増やし、重力を減らす努力をするべきときですよね。

★今回は街の引力をどう増やすか・・
に絞って議論したいと思っています。

引力の要素として
①インフラ(歩ける道、休める広場・・)
②施設(美術館、博物館、図書館・・)
③お店(買い物、飲食、エンタメ・・)
④イベント
⑤その他
に分けられるかと思いますが、今回は①②中心に議論できればと思っています。ただし、③④⑤でも面白い話題があれば、載せていただいて構いません。

まちの引力
<アクト通りの写真その1>

まちの引力
<アクト通りの写真その2>

★前述のmiburoさんのコメントの最後に
『まだまだ、いろいろあると思いますので、KJ法のように、思いつくことをすべて出し合うのもいいかもしれませんね。』
・・とありました。

是非、皆さんの積極的なご参加・ご意見をお願いします。


この記事へのコメント
C-1 小杉です。

 街の引力と重力は、面白くて、考えなければいけない話題であると思います。

 とりあえず、今思ったことを書きます。

 ②施設ですが、浜松市美術館は、現在のものはあまりにも貧弱です。政令指定都市の美術館とはとても思えません。

 これは、浜松市が音楽の街を意識するあまり、アクトのような無駄な(大きすぎる)建物は建てましたが、他の芸術分野には目がいかなかった性ですね。

 旧天竜市が、秋野不矩美術館と言う単体ながら意義ある美術館を造ったのと対照的です。

 浜松市新美術館の構想が、今宙に浮いているように伺ってます。
 
 これを、市街地例えば、アクト通りに持ってくるのは無理でしょうか。 
 
 アクトの音楽ホール、楽器博物館、文芸大の講堂などと併せた一大文化公園構想はどうでしょうか。ふと、そんな事を考えましたので、ご提言します。  小杉直弘
Posted by 小杉直弘 at 2007年10月31日 07:38
★美術館の場所と中身と建物
確かに美術館が駅近く、アクトの北の東街区にあるといいですね。建物も金沢や神戸のものを参考に、建物そのものに見る価値、行く価値があるといいと思います。中身の話しは知識不足でいい案がありません。

★郊外型美術館の典型が天竜市の秋野不矩美術館
・・新しい美術館ができたら、分室のようなところに秋野美術館の所蔵品を交替で一部展示してもらえれば、全体を見たい人は天竜まで行ってもらえますね。交流になるし・・。

★駅南の東側も注目を・・
以前にも書いたのですが、科学館のあたりが、寂れています。駅から至近なのですが、インフラ(道)が整備されていないので、人が集まりません。新しい美術館が科学館に隣接していて、上野公園のようになったら良いですね。北側の東街区と結ぶと小杉さんの一大文化公園構想に繋がりますね。

ではでは。
Posted by 秋山雅弘 at 2007年10月31日 09:01
「音楽の街」にも書きましたが、市外からも人を呼び寄せられる「そこにしかない魅力」を築けなければ中心街の復活は難しいと思っています。
浜松市美術館に関しては以前から言いたいことは山ほどあります。金沢21世紀美術館
http://www.kanazawa21.jp/ja/index.html
と比較してみればその劣勢は歴然です。ここでの違いもポイントは「民間の参画」です。
浜松市には美術館協議会という組織がありまして、実はかみさんがこの委員になっています。議事録はココ↓
http://www4.city.hamamatsu.shizuoka.jp/CONFERENCE/
kaigiroku/200708/03_393.html
この会議のとき「美術館に関して何でもいいから意見を言ってくれ」と発言を求められ、うちのかみさんは
「駐車場をもっと整備して、浜松城を含めて気軽に散策できる公園のような環境にした方がいい。」
のようなことを言ってきたそうです。議事録にはそのことはなぜか書かれていませんが、浜松市も「なんとかしなければ」と思っているようですね。先日浜松市都心政策課に質問に行ってきたときにも「今のままじゃダメだ」という発言が先方からありました。
しかし、昨年度初頭に行われた「山田卓司展」は非常に魅力的なものでした。この展覧会を見たときから僕は「中心部に山田卓司館を作るべきだ」と思い始めました。H18年度の実績では26日間の開期で20,254人の動員があり、実績としては最高でした。この浜松が生んだアーティストをもっと市を挙げてサポートしてもいいんじゃないかと、思うわけです(サポートというより「助けてもらう」かな)。おそらく全国から人がやってくると思いますよ。
秋野不矩美術館に関しては、僕の地元なのでこれまた言いたいことは山ほどありまして、旧天竜市の二俣地区活性化に関する意見として書いたものがありますので「未来研ブログ」の方にアップしておきます。
余談ですが今行われている「はままつの美術家展(Ⅱ期)」にかみさんの絵が展示されていますので便乗宣伝させていただきます。失礼!
Posted by 内山淳平 at 2007年10月31日 13:33
★博物館と美術館の違い・・
を調べてみました。美術館は英語でArt Museum または Galleryでした。いわゆる絵画や彫刻などの芸術品を展示する場所です。特定の作家の美術館でも、現代美術館のようなジャンルでわけると、浜松に複数の美術館があってもよさそうですね。

★博物館・・
についての英語訳はMuseumで良いようです。生物学や考古学的なものの展示まで含まれます。歴史で言えば戦国または徳川博物館も面白そうですし、産業博物館も浜松らしいと思います。ただし、名前が産業博物館では引力が足りないので、やはり名前は「浜松やらまいかバイク博物館」でしょう。、もちろん「やらまいか」は冗談です。

★バイク博物館・・
今まで、国内ではマツダ、ヤマハ発動機、海外ではポルシェとドゥカッティの博物館に行きました。どこも良かった。浜松の場合にはHSY(アルファベット順にしました)それぞれに協力したいただき、箱と受付などの運営は市が用意し、展示の中身、工夫は各社に依頼すればいいと思います。海外のバイク(ハーレィ、BMW・・)も展示してもらい、一部は試乗ができるようにしたら、全国のバイク好きがあつまりそうです。

★バイクショップ・・
人が集まれば商売になるので、ショップも集まります。アンティークバイクや、バイクの特売店、フリーマーケットもできれば最高だと思います。駅南の開発に使えないでしょうか。

ではでは。
Posted by 秋山雅弘 at 2007年11月01日 11:40
 静岡県立美術館は、都心から離れた場所にあって、存在感を示しています。それなりの美術品を収納しており、それなりの愛好家を集めています。
 そのためには、館長、学芸員、事務職員が一体となって努力しています。
 これは、多分、秋野不矩美術館も同様だと思います。
 建設よりも、何を展示し、どんな愛好家を集めるかなどのコンセプトが大切だと思います。ただし時代の変化に対応する必要もあります。
 私としては、箱物建設よりは、牧野先生の提案の木を植えるというのが、気に入っているのですが・・・。
 ところで、行革審の第3回公開審議が迫っております。
 こちらもお忘れなく。
http://www.h-gyoukaku.jp/council_information/index.html
Posted by 山崎山崎 at 2007年11月01日 20:42
美術館は、その都市の文化成熟度を表しています。
浜松市美術館は、残念ながら、他都市から集客できるような施設ではないと思います。浜松市の文化施設のシンボルとして、立地も含めて再検討が必要だと思います。今の立地環境が、決して悪いとは思いません。浜松城を含めた都市公園として整備され、十分な空間の中にゆとりある美術館ができれば、それはそれでよいのではないかと思います。もちろん、ソフト機能の充実は当然です。

それとは別に、中心部については、特定のテーマ舘的なものがあってもいいのでないでしょうか。大宮には、駅前に「ジョンレノンミュージアム」があり、多くの来館者でにぎわっています。内山さんのご意見にあった「山田卓司舘」なども面白いと思います。

文化的核施設の充実のアイデアとして次のようなものはいかがでしょうか。
・鑑賞型の中・小規模ミュージアム(やまだたくじノスタルジー舘のようなもの)
・世界的企業のショールームの集積 (SHY+α)
・産業をテーマとした体験型アミューズメント施設の設置
・小規模なアトリエや小規模なスタジオなど市民文化練習・発表の場づくり

楽器博物館は、仕掛け次第では、世界に誇れる博物館に脱皮することが十分可能ではないでしょうか。
Posted by miburo at 2007年11月01日 21:20
C-07、行革審事務局への要望

 昨日、事務局のSさんと話した上で、以下のようなその内容を今日、メールで送りました。

        記〔意見と要望)

 行革審事務局御中

 以下の事を提案し、お願いします。

01、審議会の「概要」は、審議会後2週間以内に出すとしたのですから、そのようにして下さい。前にも言いましたが、2週間後では本当は遅すぎます。しかし、それはともかくとして、今回のように2週間以内に出せなかった場合は、2週間後に「これこれの理由で遅れます。○日くらいに発表します」と発表して下さい。

02、市民からの意見を1ヵ月分まとめて発表するのではなく、ブログのコメントのようにどんどん載せるようにして下さい。「抽出」の基準が決まったのですから、出来ると思います。

03、事務局の頁に「事務局日記」ないし、「行革審の活動報告」を発表して下さい。

 そこに書くべきことは「予定」ではなく「記録」です。つまり、何月何日に審議会があったとか、これこれの分科会の勉強会が開かれたとかです。

 勉強会のことは静岡新聞にも載ったり載らなかったりしているそうですから、お願いします。

 山崎副市長の個人ブログには、山崎さんが出た勉強会のことは載るようですが、本来、これは事務局の仕事だと思います。

04、電話でも言いましたが、行革審への関心が必ずしも十分に盛り上がっていないと思います。その一因はこの「活動報告」がないからだと思います。

 市民は知らないことには関心を持たないのです。国政に関心を持つのは新聞やテレビが報道するからであり、その限りでのことです。現にイラクで今でも行われている航空自衛隊の活動は報道されないので、ほとんど知られておらず、国民は関心を持っていません。


 私が自治会長だった時、毎月の定例常会(第4土曜日に全戸が出席して開かれる)で配る「お知らせ」の中に「自治会長の活動報告」という欄を作り、狭義の活動報告だけでなく、知り得た町政についての事も(自治会長には情報が沢山入ってきます)詳しく報告しました。これで住民は自治会についてだけでなく、町政についても普段以上の関心を持ったのです。

 お返事をいただきたいと思います。よろしく。
Posted by 牧野 紀之 at 2007年11月02日 10:17
せっかく議論が盛り上がったところに、いつも水を差すのは、この方ですね。

ご自分のブログをお持ちのようですから、そちらでおやりになったらいかがでしょうか。

このブログの一読者として、残念に思います。
かなりの学識経験があるお方のようですが、先生にありがちな、自分勝手な方でもありそうですね。
Posted by 一読者 at 2007年11月02日 13:58
★牧野先生の行革についてのコメントは・・
行革委員の秋山あてのメッセージだと理解しています。公開書簡のようなものですので、しっかり対応したいと思っています。テーマ外のことで、他の読者の方々には多少見づらいことになりますが、是非ご了解ください。

★美術館については・・
以前コメントいただきましたし、もう一度確認のため牧野先生の「浜松市政ニュース」を読み直してみました。

2007年09月27日付けの「第68号、市立美術館の挑戦」です。下記URLご参照ください。
http://shisei.hamazo.tv/e815884.html

★牧野先生の上記ブログですが、個人的にはお気に入りにいれています。
このブログのお気に入り欄にも加えたいと思っていますのでよろしくお願いします。
Posted by 秋山雅弘 at 2007年11月04日 12:37
★アクトの北側、東街区の開発は・・
本文にあとから追加した写真2枚みていただけましたか。本文の中の「引力の要素として・・①インフラ(歩ける道、休める広場・・)」に相当する部分を写したのですが、人が歩いていないんです。

★イベントの時にはそこそこ人が・・
集まるのですが、残念ながらそれ以外の時間帯は閑散としています。シンボルロードという名前がついているようなのですが、シンボルになるような時間消費型の施設も、ショッピングする場所もないんです。恒久的な施設と、一時的なイベントの二つがあって、始めて街になるんだと思います。

★是非、都市計画のゼロからの見直しを・・
Posted by 秋山雅弘 at 2007年11月04日 20:40
>内山さんのご意見にあった「山田卓司舘」なども面白いと思います。

わーい、はじめての賛同者。miburoさんありがとうございます。
あの展覧会のとき、とても印象に残っていることがあります。山田卓司さんの作品は情景ものから怪獣、映画と多岐に及ぶのですが、その中に「戦争物」があるんです。
お孫さんといっしょに来ていたひとりのおじいさんが、山田さんの作った進駐軍のジオラマをすごく真剣なまなざしでまんじりともしないで見つめていました。睨んでたって言った方がいいかも。激しく心を動かされてるのがわかりました。
美術館には良く行きますが、ああいうシーンは見たことが無かった。老若男女、理屈抜きで楽しめる展示でした。
高尚かどうかなんて、関係ないですよね。
Posted by 内山淳平 at 2007年11月04日 23:20
まちの引力、このテーマは非常に重要だと思います。今日の日経夕刊最終面にニューカッスルの例が載っていました。
製造業の不況に喘いでいたニューカッスルがアートによる創造都市として求心力が高まり人口も増えてきたそうです。
横浜大阪などが参考にしているそうですが、僕には北九州のイメージがダブります。
浜松の将来にも通じるのではないでしょうか。他紙の記事では文化的側面を強めることで設計士や技術者など製造業の人材なども集まりやすくなるそうです。
僕が思うには、浜松は花と音楽を二大テーマにしたらいいと思います。それらを核に文化活動が日常的に行われる。
例えば街中に花や植物が芸術性を伴って植えられ、点在する大小の美術館やライブハウスに人々が集うイメージです。再来年のモザイカルチャーもいいチャンスですよね。
山田卓司さんやスズキコージさんなどの浜松に縁のあるアーティストの方もいらっしゃいますよね。うまくいかしてほしいです。
再建に苦しんでいるビオラ田町なども現代アートやCGアート、あるいは花と音楽と映像の融合を目指すような新型美術館などにできないんでしょうか。
市美術館を新築するぐらいなら、ビオラの商業部分を思い切って買い取って、そういう美術館にしてもらいたいぐらいです。
総合計画などには文芸大などは喜んで参画してくれるのでは?
Posted by 団塊Jr at 2007年11月05日 23:42
★ニューカスル(旧名キングズタウン)ですね。
人口は46万人で石炭産地を背後に控える重工業都市でした。鉄鋼や造船の街からの変身が出来始めたのでしょう。

★航空宇宙の街へ
浜松の次の時代はどうなるか、興味のあるテーマだと思います。製造業の町としては、陸上の輸送機器(車と二輪)から航空宇宙に変貌して欲しいと思っています。

そんな意味では昨日の光産業創生大学院のシンポジウムにもっと市の関係者が出席していれば・・と思いました。製造業の基盤は技能ではなく科学です・・とおっしゃった東大の先生がいます。市役所には科学をウォッチしている人は何人くらいいらっしゃるのでしょうか。

流通を基本に考えた中心街の引力にはなりませんが、雇用や採用を考えると、科学や技術や産業はとてつもなく大きな引力でしたね。

ではでは。
Posted by 秋山雅弘 at 2007年11月06日 14:53
みなさん、こんばんは。
この記事が残っていてくれてよかったです。
こんな記事を書きました。
http://archimoon.hamazo.tv/e1893041.html
ご意見をお聞きしたいです。
Posted by ドラマーな建築家ドラマーな建築家 at 2009年11月23日 21:49
ドラマーな建築家さん、コメントありがとうございました。

早速(??遅ればせながら)サイトを見に行きました。良いですね。

秋山ブログの次の記事にしたいと思います。素晴らし提案で感激しました。

PS.ブログは記録なのでずーっと残すつもりですが、後から読み直してもいい感じですね。「まちの引力」という言葉を浜松の街づくりの標準語にしたいと思います。

ではでは。
Posted by 秋山雅弘 at 2009年12月30日 15:12
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