政治と金

<第237回>  ☆★☆ 政治とカネ ☆★☆
カテゴリー1 日本の未来

5年程前、姉歯氏による強度偽装問題が注目を浴びましたよね。

あれは「ダメなものを良い」とする偽装でした。今回の「政治とカネ問題」は「ダメでないものをダメ」とするマスコミと検察による偽装問題だと思っています。

もちろん検察は「絶対に贈収賄がある」とにらんであれだけの強制捜査、家宅捜索を繰り返しましたが、結局起訴猶予ということで、「ダメでないものをダメ」とはできないことを証明してくれました。もし、相手が小沢一郎という大物でなかったら、またしても大きな「冤罪事件」を仕立てることができたと思います。

最近の検察、問題ばかりで大分焦っているのでしょう。民主政権が軌道にのれば確実に「尋問の可視化」が行われることになります。検察対小沢氏の戦いの最終点だと思います。

★民主党の政治とカネ・・
については3つのポイントがあります。

①北教組の選挙違反
②鳩山さんの贈与と架空名義問題
③小沢さんの購入資金の記載問題

①については、北海道の教職員組合のガバナンスの無さそのものだと思います。遠い原因としては、麻生元総理の時、彼に少しの勇気がなかったために、解散と総選挙が伸び、資金難に陥った結果、選挙資金の違反を犯してしまったということだと思います。おそらく有罪になれば連座制が適用され、民主は一議席を失う以上の打撃を受けました。普通なら、組合には理事会に法律やお金に詳しい外部理事や監事がいるので、失敗はないんですが、組合理事の先生方はお相撲さんOB,つまり相撲協会の親方くらいに世間しらずだった・・ということだと思います。これについては偽装ではないですね。

②についても世間知らず、世の中を甘く見ていた結果だと思います。

③については偽装だと思っています。日本の警察、検察はもともと予見に基づく仮説で捜査を進めがちだと思います。冤罪の原因です。もっと証拠を大事にし、素直な目で見れば・・と思ってしまいます。また裁判も「推定無罪」の原則ではなく、検察が起訴したものを無罪にすることに対し、裁判官になにか引け目のようなものを感じます。警察⇒検察⇒裁判所の仲間意識、まるで相撲部屋ですね。

★本当の政治とカネの問題は・・
過去の大きな政界スキャンダルを眺めると、「ロッキード事件」「リクルート事件」「佐川急便事件」です。すべてに共通しているのは贈賄、収賄です。時の権力者になんらかのお金を渡し(贈賄)、貰った人間(収賄)が権力を使って国民の税金を特定の贈賄者のために使う、あるいは使おうとした事件です。「国民のお金の窃盗罪」と言ってもよいでしょう。お金は「贈賄者」と「収賄者」の懐に入ります。

①②③とも全然違いますよね。①については「組合員」のお金ですから、多少悪さが目立ちます。②③については両方ともご本人の親の金です。手続きに多少問題はあっても、政治資金規正法違反で、虚偽記入という罪です。もちろん、それが事実であることが裁判で明らかになれば、実行者にはそれなりの判決が下されると思います。

でもいずれにしても、ロッキード、リクルート、佐川に較べると、月とすっぽん、提灯と釣鐘のような微罪です。一国の総理大臣、与党幹事長が辞めざるを得ないような問題ではないはずです。

★結局マスコミによって作られた、偽装版「政治とカネ」問題・・
恐らく、「田中の弟子の小沢だから絶対に悪いことをやっているはず」と自信をもって臨んだ検察はあきらめましたが、マスコミは「アラさがしとその喧伝」を繰り返し、国民世論を大きく操作したことになります。

戦前の大本営や、北朝鮮のテレビみたいでしたね。

ちなみに、小沢さんの秘書の方は、当初は西松建設事件で「贈収賄罪」にまではできず、政治資金規正法違反(虚偽記入)罪で起訴されましたが、公判前整理手続で争点を絞り込んだ上で判決間近のところまで来てたのに、検察が、陸山会不動産取得問題に切り替えました。検察の強引な尋問による調書の内容がほとんど、証人により否定され、切り替えざるを得なかったようです。そのことについて、検察からの謝罪はありません。

郵政省の村木局長の事件を思い出させるような現実です。

私は法律の専門家でも政治にかかわっている人間でもないので、間違いがあるかも知れません。是非、コメントで訂正いただければと思います。


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この記事へのコメント
民主党大敗によるねじれ国会。
私的にはウエルカム。
与野党で大いに政策論争をしてほしい。

公務員改革、独法、行革等明らかに国民の為になる法律を野党だからと何でも反対と言う訳にはいかない。
国民の為に与野党合意は当然!
Posted by MITSUKO at 2010年07月13日 08:18
MITSUKOさん、ありがとうございます。

次回は「困ったねじれ国会」を書こうかと思っていたのですが、書きにくくなってしまいました。

確かにねじれを利点にすることもできますね。

少し頭をひねってみます。
Posted by 秋山雅弘 at 2010年07月14日 18:06
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